具体的には、車両重量1.5t以下・初度登録から13年未満の普通乗用車なら法定費用は約44,000円、軽自動車なら約26,000円です。ここは固定。総額がこれを大きく上回る分が、整備と代行の対価ということになります。

以下、金額の根拠を一次資料で確認していきます。

法定費用は次の3項目で構成されます。

  1. 自賠責保険料(自動車損害賠償責任保険)
  2. 自動車重量税
  3. 検査手数料(印紙代・証紙代)

このうち1と2はどの整備工場に出しても同額です。3も申請方法で数百円の差が出るだけです。

1. 自賠責保険料

自賠責保険の基準料率は、損害保険料率算出機構が算出し、金融庁長官に届け出るものです。同機構が公表している基準料率表から、離島・沖縄県を除く地域の額を示します。

現行(2026年10月31日までに保険期間が始まる契約)

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車種24か月契約25か月契約
自家用乗用自動車17,650円18,160円
軽自動車(検査対象)17,540円18,040円

2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約

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車種24か月契約25か月契約
自家用乗用自動車18,560円19,070円
軽自動車(検査対象)18,660円19,170円

同機構は2026年4月30日に基準料率変更の届出を行っており、平均6.2%の引上げ、自家用乗用自動車の24か月契約では5.2%(910円)の引上げになると公表しています。新料率は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約に適用されます。

なお継続車検では、次の車検有効期間を切れ目なくカバーする必要があるため、24か月ではなく25か月契約を案内されることがあります。

注記

※契約期間は加入先の案内に従ってください。

2. 自動車重量税

国土交通省が公表している「2026年5月1日からの自動車重量税の税額表」の、継続検査時・2年自家用の欄です。

乗用車(登録車)

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車両重量エコカー(本則税率)エコカー外13年経過18年経過
0.5t以下5,000円8,200円11,400円12,600円
〜1.0t10,000円16,400円22,800円25,200円
〜1.5t15,000円24,600円34,200円37,800円
〜2.0t20,000円32,800円45,600円50,400円
〜2.5t25,000円41,000円57,000円63,000円
〜3.0t30,000円49,200円68,400円75,600円

検査対象軽自動車(二輪を除く・2年自家用)

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エコカー(本則税率)エコカー外13年経過18年経過
5,000円6,600円8,200円8,800円

軽自動車は車両重量にかかわらず定額です。この額は軽自動車検査協会のFAQでも同じ数字が案内されています。

税率の構造は財務省の資料で確認できます。自家用乗用車の当分の間税率は0.5tあたり年4,100円、13年超で5,700円、18年超で6,300円。本則税率は2,500円です。2年車検なら車両重量区分の数 × 税率 × 2年で計算され、1.5t車なら 3 × 4,100円 × 2 = 24,600円 となります。上表と一致します。

13年・18年で税額が跳ね上がる点が実務上いちばん効きます。 1.5t級の普通車なら、13年経過で年あたり4,800円、18年経過で年あたり6,600円の増加です。長く乗るかどうかの判断材料になります。

3. 検査手数料(印紙代)

印紙代は「国に納める検査登録印紙」と「独立行政法人自動車技術総合機構に納める自動車審査証紙」の合計です。2026年(令和8年)4月1日に改定されています。

継続検査

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申請方法普通自動車小型自動車軽自動車
持込検査2,600円2,500円2,500円
保安基準適合証の提出2,100円2,100円2,100円
保安基準適合証の提出(OSS申請)1,850円1,850円1,850円

登録車の額は国土交通省「登録・検査手数料一覧表」、軽自動車の額は軽自動車検査協会「申請手数料のご案内」(いずれも令和8年4月1日現在)によります。軽自動車の手数料には技術情報管理手数料400円が含まれています。

「保安基準適合証の提出」は、指定整備工場(いわゆる民間車検場)が検査を代行するケースです。持込より数百円安くなります。

法定費用の合計

代表的な組み合わせで足し合わせます。指定整備工場(保安基準適合証を提出、OSS申請なし)を前提としました。

普通乗用車・車両重量1.5t以下・13年未満・エコカー外

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項目現行2026年11月1日以降
自賠責保険料(24か月)17,650円18,560円
自動車重量税24,600円24,600円
検査手数料2,100円2,100円
合計44,350円45,260円

軽自動車・13年未満・エコカー外

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項目現行2026年11月1日以降
自賠責保険料(24か月)17,540円18,660円
自動車重量税6,600円6,600円
検査手数料2,100円2,100円
合計26,240円27,360円

自賠責を25か月契約にする場合は、それぞれ約500円上乗せになります。

どこが値切れて、どこが値切れないか

ここまでの3項目は、どの業者に頼んでも同額です。「法定費用を安くします」という提案は原理的に成り立ちません。

差が出るのは次の部分だけです。

  • 車検基本料(24か月点検などの点検作業料)
  • 検査代行手数料(工場が運輸支局への申請を代行する対価)
  • 整備費用(部品交換や調整。実施した内容に応じて変動)

見積を比較するときは、まず法定費用を差し引いてください。残った金額が、その業者の値付けです。

ユーザー車検・民間工場・ディーラーの費用構造

3つの選び方は「何を自分でやり、何を人に頼むか」の違いとして整理できます。

ユーザー車検
自分で運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)に車を持ち込み、検査ラインを通します。かかるのは法定費用のみで、車検基本料も代行手数料もありません。ただし印紙代は持込検査の額(普通車2,600円)が適用されます。

代わりに必要になるのが、事前の予約、平日日中の時間、そして不具合を自分で見つけて直す判断です。検査に通らなかった場合は再度持ち込むことになります。点検整備は車検とは別の義務であることにも注意が必要です。

民間整備工場・車検専門店
指定整備工場であれば、自社の検査ラインで検査を完了させ、保安基準適合証を提出して申請します。運輸支局に車を運ぶ必要がないため代行の負担が軽く、その分が価格に反映されやすい形です。整備の範囲は工場ごとの方針に幅があります。

ディーラー
メーカー指定の点検項目に沿って作業し、車種固有の弱点や次回車検までに交換時期が来る部品を先回りして提案する傾向があります。作業範囲が広いぶん総額は上がりやすい構造です。

注記

※3者の具体的な金額は地域・車種・整備内容で大きく変わるため、ここでは金額を示しません。比較する際は「法定費用を除いた金額」と「その金額に何の作業が含まれるか」の2点を必ず確認してください。

見積を受け取ったときの確認手順

  1. 法定費用3項目(自賠責・重量税・印紙代)を本記事の表と突き合わせる
  2. 総額から法定費用を引く
  3. 残った金額の内訳を「基本料」「代行手数料」「整備費用」に分けてもらう
  4. 整備費用の各項目が「今回必要」なのか「次回でもよい」のかを聞く

4番目が実際にはいちばん金額を動かします。交換部品には車検に通すために必須のものと、予防的な提案とがあり、両者は区別できます。

まとめ

  • 法定費用は自賠責・重量税・印紙代の3つ。どこに出しても同額
  • 1.5t以下・13年未満の普通車で約44,000円、軽自動車で約26,000円(2026年10月31日始期まで)
  • 自賠責は2026年11月1日以降に始まる契約から引上げ。普通車で910円増
  • 重量税は13年・18年で段階的に上がる。1.5t級なら13年で年4,800円増
  • 見積の差は必ず「整備・代行費用」から出る。まず法定費用を差し引いて比べる

車検ごとの支払額と整備内容を記録しておくと、次回の見積が妥当かどうかを自分の実績と比べて判断できます。

出典

  1. 損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険 基準料率表」
  2. 損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険 基準料率表」
  3. 損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険 基準料率表」
  4. 損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率の変更届出について」
  5. 国土交通省「自動車重量税の税額表(2026年5月1日から)」
  6. 財務省「自動車重量税の税率」
  7. 国土交通省「登録・検査手数料一覧表」
  8. 軽自動車検査協会「申請手数料のご案内」
  9. 軽自動車検査協会 よくあるご質問