内訳を見ると、よく言われる「SUVは税金が高い」は差の一部にすぎません。自動車税と重量税の差は合わせて年1.7万円差が最も大きいのはタイヤで、同じ銘柄の4本で約10万円違います。一方、燃料費は燃費の良いハイブリッドのハリアーのほうが年約6,100円安くなります。

以下、項目ごとに計算式と出典を示します。

「維持費で後悔」はSUVオーナーに多い

株式会社AZWAYが2026年8月に車を持つ309人に行った調査では、購入後に後悔したこととして最も多く挙がったのが「維持費(税金・保険・車検)が想定より高い」で12.9%でした(「後悔している点はない」41.1%を除く)。SUVオーナー49人に限ると26.5%と、全体の約2倍です。

同じ調査で「購入前に確認しておけばよかったこと」の1位は「年間の維持費の総額」(24.3%)でした。維持費の大部分は、車を選んだ時点で計算できます。

比べる2台

項目ヤリス Gハリアー G
動力ガソリン1.5Lハイブリッド2.5L
車両重量1,000kg1,650kg
WLTC燃費21.0km/L22.7km/L
タイヤ175/70R14225/60R18
本体価格(税込)2,072,400円4,396,700円

どちらも2WD。重量・燃費・タイヤはトヨタ公式の主要諸元表・装備比較表、ハリアーの価格は2026年8月の一部改良時の発表値です。ハリアーは2026年8月の一部改良でガソリン車がなくなり、ハイブリッド専用になりました。いま新車で買える組み合わせで比べています。上位グレードのZ(19インチ)の数字は後の表に併記します。

税金:差は年1.7万円

自動車税(種別割)=年13,000円の差

排気量で決まります。2019年10月1日以降に初めて登録した自家用乗用車の税額は次のとおりです(総務省)。

排気量年額(円)
1.0L超1.5L以下(ヤリス)30,500
2.0L超2.5L以下(ハリアー)43,500

差は年13,000円です。

自動車重量税=車検1回あたり8,200円の差

車両重量0.5tごとに段階が上がります。車検(継続検査)時に2年分を払います。エコカー減税の対象外・13年未満の税額は次のとおりです(国土交通省)。

車両重量2年分(円)
1.0t超1.5t以下(ヤリス)24,600
1.5t超2.0t以下(ハリアー)32,800

差は車検1回あたり8,200円、年換算4,100円です。エコカー減税の対象になると税額が下がる場合がありますが、ここでは減税を考えない税額で計算しています。

自賠責保険=差なし

自家用乗用車の自賠責保険料は、車の大きさや重さで変わりません。24か月で17,650円、2026年11月1日以降の契約は18,560円です(損害保険料率算出機構)。

タイヤ:4本で約10万円の差

差が最も大きい項目です。ブリヂストン公式通販の価格で、同じ銘柄のサイズ違いを比べました(1本あたり税込・取付工賃込み、2026年9月24日時点)。

夏タイヤ(REGNO GR-XIII/ハリアーはSUV用のTYPE RV)

サイズ1本(円)4本(円)
175/70R14(ヤリス)22,22088,880
225/60R18(ハリアー G)47,520190,080
225/55R19(ハリアー Z)58,410233,640

スタッドレス(BLIZZAK VRX3)

サイズ1本(円)4本(円)
175/70R14(ヤリス)24,09096,360
225/60R18(ハリアー G)57,970231,880
225/55R19(ハリアー Z)72,710290,840

4本の差はヤリスとハリアーGで夏タイヤ101,200円、スタッドレス135,520円。19インチのZなら夏144,760円、スタッドレス194,480円です。1本あたりの価格が2倍以上になるので、4本では10万円単位の差になります。

交換の周期は走り方と保管状態で大きく変わります。ここでは4年に1回交換すると仮定して年換算しました(夏タイヤ・18インチで年25,300円、スタッドレスで年33,880円)。3年で替える人は差がもっと大きく、6年もつ人は小さくなります。

注記

※ホイールを含まない価格です。スタッドレス用にホイールを別に買う場合、その費用も18〜19インチのほうが高くなります。

燃料費:ハリアーのほうが安い

年10,000km走り、レギュラー169.9円/L(2026年9月14日時点の全国平均)で計算しました。燃費はカタログのWLTCモード値です。

計算

ヤリス:10,000km ÷ 21.0km/L × 169.9円 = 約80,900円

ハリアー:10,000km ÷ 22.7km/L × 169.9円 = 約74,800円

差は年約6,100円で、ハリアーのほうが安くなります。燃料費の差を決めるのは車の大きさより、ガソリン車かハイブリッドかです。どちらもレギュラー指定です。

実際の燃費はWLTC値より悪くなるのが普通なので、金額そのものは両方とも上がります。

合計:年3.6万円、雪国なら年7万円

図1/ハリアーGとヤリスGの年間維持費の差・項目別(年1万km・タイヤは4年で交換と仮定)
ハリアーGとヤリスGの年間維持費の差 0を基準線とし、マイナスは左に伸びる横棒グラフ。自動車税はプラス13,000円。重量税(年換算)はプラス4,100円。自賠責は0円で差なし。夏タイヤ(4年で交換と仮定)はプラス25,300円。燃料はマイナス6,059円でハリアーのほうが安い。スタッドレス(雪国のみ・破線で区別)はプラス33,880円。数値はいずれもハリアーGからヤリスGを引いた年間の差額。 0 自動車税 +13,000円 重量税(年換算) +4,100円 自賠責 0円 夏タイヤ(4年で交換) +25,300円 燃料 −6,059円 スタッドレス(雪国のみ) +33,880円

前提:年間走行距離10,000km、タイヤは4年に1回交換すると仮定して年換算。金額はハリアーG基準でヤリスGとの差額(プラスはハリアーのほうが高い項目、マイナスは安い項目)。スタッドレスは雪国で追加装着する場合のみ発生する費用のため破線にしています。出典:総務省・国土交通省・損害保険料率算出機構・ブリヂストン公式通販・資源エネルギー庁。

項目年間の差(円)
自動車税+13,000
重量税(年換算)+4,100
自賠責0
夏タイヤ(4年で交換)+25,300
燃料−6,059
合計+36,341
スタッドレスも履く場合+70,221

プラスはハリアーのほうが高い項目、マイナスは安い項目です。19インチのZでは合計が年47,231円、スタッドレス込みで年95,851円になります。

負担が重なる年がある

年3.6万円は平らにならした数字です。実際の出費は年ごとに偏ります。

タイヤ交換と車検が同じ年に来ると、その年は重量税とタイヤ代がまとめて出ていきます。ハリアーGなら重量税32,800円と夏タイヤ190,080円で222,880円。ヤリスは24,600円と88,880円で113,480円です。その年だけで約11万円の差になります。

「SUVの維持費が思ったより高い」と感じるのは、この重なった年であることが多いはずです。車検の時期とタイヤの残り溝を並べて見ておけば、重なる年は前もって分かります。

この記事で扱っていないもの

  • 任意保険:型式別料率クラスと車両保険の金額で決まります。車両保険は車の価格に連動するため、本体価格が2倍強のハリアーのほうが高くなる傾向があります。見積で確認してください
  • 駐車場:車の幅(ハリアーは1,855mm)によって、借りられる区画や料金が変わる場合があります
  • 車両価格の差:本体価格の差は2,324,300円あり、維持費の差より桁が大きい項目です

まとめ

  • ヤリスとハリアー(18インチ)の維持費の差は年約3.6万円。スタッドレスも履くなら年約7万円
  • 自動車税の差は年13,000円。重量税の差は車検1回あたり8,200円
  • 自賠責保険は車格で変わらない
  • 差が最も大きいのはタイヤ。同じ銘柄4本で夏約10万円、スタッドレス約13.6万円の差
  • 燃料費はハイブリッドのハリアーのほうが年約6,100円安い
  • 車検とタイヤ交換が重なる年は、その年だけで約11万円の差になる

車検の期限とタイヤを替えた日を記録しておくと、出費が重なる年を前もって見つけられます。

出典

  1. 株式会社AZWAY「車の維持費に関する調査」
  2. トヨタ自動車「ヤリス 主要諸元表」
  3. トヨタ自動車「ヤリス 装備比較表」
  4. トヨタ自動車「ハリアー 主要諸元表」
  5. トヨタ自動車「ハリアー 装備比較表」
  6. 総務省「自動車税(種別割)」
  7. 国土交通省「自動車重量税額」
  8. 損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率の届出」
  9. ブリヂストン公式通販「REGNO GR-XIII 175/70R14」
  10. ブリヂストン公式通販「TYPE RV 225/60R18」
  11. ブリヂストン公式通販「TYPE RV 225/55R19」
  12. ブリヂストン公式通販「BLIZZAK VRX3 175/70R14」
  13. ブリヂストン公式通販「BLIZZAK VRX3 225/60R18」
  14. ブリヂストン公式通販「BLIZZAK VRX3 225/55R19」
  15. 資源エネルギー庁「レギュラーガソリン価格の推移」