この記事は、JAFの資料と、トヨタ(86)・ホンダ(フリード)・日産(ノート)の取扱説明書で確かめられたことだけを書きます。ボタンの名前や自動で切り替わるかどうかは車種で違うので、最後は自分の車の取扱説明書を確かめてください。
フロントガラスが内側から曇る理由
冬の朝にガラスが内側から曇るのは、結露です。JAFは、車内の空気に含まれる水蒸気が冷えたガラスに触れて水滴になる、と説明しています。水蒸気のもとは、乗っている人の息や汗です。外が寒いほどガラスが冷えるので、冬は曇りやすくなります。
つまり、曇りを取るにはガラスに乾いた空気を当てて、車内の水分を減らすことです。次の設定は、どれもこのためにあります。
いちばん早い曇りの取り方(設定)
3社の取扱説明書とJAFの案内をまとめると、やることは次の4つです。
| やること | 理由 |
|---|---|
| デフロスターを押す | 乾いた空気をガラスに集めて当てる |
| 外気導入にする | 冬の外気は乾いている |
| A/Cをオンにする | エアコンで空気を除湿する |
| 風量を強く・温度を高く | 早く乾かす |
出典:JAF「フロントガラスが曇る原因と、その対処法は?」「エアコンの外気導入と内気循環は、どう使い分ければいいのですか?」、トヨタ 86・日産 ノートの取扱説明書(2026年10月25日確認)。雨の日だけは外気導入ではなく内気循環にします(後述)。
トヨタの取扱説明書は「風量を強くし、設定温度を上げると、より早く曇りを取ることができます」と書いています。日産の取扱説明書(マニュアルエアコンの車)も、外気導入・デフロスター・風量最大・温度を高温側・A/Cオン、の順で手順を示しています。
デフロスターを押したときに車が自動でやってくれることは、メーカーで違います。
| メーカー(車種) | デフロスターを押すと |
|---|---|
| トヨタ(86・オートエアコンの車) | 冷房・除湿が動き、風量が増える。内気循環なら外気導入にする(自動で切り替わる場合もある) |
| ホンダ(フリード) | エアコンが動き、自動で外気導入に切り替わる |
| 日産(ノート・マニュアルエアコンの車) | 手で外気導入・A/Cオンにする |
出典:各社の取扱説明書(2026年10月25日確認)。同じメーカーでも車種やエアコンの種類で動きが違います。
冬もエアコン(A/C)は使う?
使います。冬にA/Cを入れるのは、冷やすためではなく空気を除湿するためです。JAFは、デフロスターをオンにすると「エアコンで除湿された空気がフロントガラス周辺に集中して送風されます」と説明しています。トヨタとホンダの車は、デフロスターを押すとエアコンが自動で動きます。
内気循環のままにしない理由
内気循環は、車内の空気を外と入れ替えずに回す設定です。日産の取扱説明書は、デフロスターを使うときは「内気循環にしないでください」と注意しています。曇りが取れにくくなるためです。JAFも、冬の曇りには乾いた外気を取り込む外気導入が効く、としています。
内気循環を続けると、もう1つ問題があります。車内の二酸化炭素が増えることです。JAFは、4人で乗って1時間ずつ走り、内気循環の車と外気導入の車で二酸化炭素の濃さを比べました。
出典:JAFユーザーテスト「ドライブ中で、空調は『内気循環』『外気導入』どちらがいいの?」(2019年4月3日・東京都内)。3,000ppmの目安は同テストで紹介された東北大学教授の指摘。
市街地では、内気循環の車が外の空気の約5.5倍になりました。外気導入の車は、どこを走ってもほぼ1,000ppm前後のままです。曇りにも、眠気にも、外気導入のほうが有利です。
JAFは、内気循環はトンネルの中や大型のディーゼル車のすぐ後ろなど、外の空気が汚れているときに使い分けるとよい、としています。
雨の日は設定が逆になる
1つだけ例外があります。雨の日は外の空気が湿っているので、JAFは外気導入ではなく「内気循環」とエアコンを組み合わせるよう案内しています。乾いた冬の朝と、湿った雨の日で、空気の取り込み方を変えるということです。
また日産の取扱説明書は、デフロスターを使うときにエアコンの設定温度を低くしないよう注意しています。冷えたガラスの外側に露が付き、かえって見えにくくなるおそれがあるためです。
凍ったフロントガラスの解かし方
北海道や東北、雪の多い地域では、朝にガラスの外側が凍っていることがあります。JAFは長野県の菅平高原(最低気温−6.3℃)で、凍ったフロントガラスを解かすのにかかる時間を測りました。
| 解かし方 | かかった時間 |
|---|---|
| 解氷剤 | 約1分で完全に解けた |
| デフロスター | 視界が戻るまで約10分 |
出典:JAFユーザーテスト「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!」(2014年2月・長野県菅平高原)
急ぐ朝は解氷剤があると助かります。デフロスターだけでも解けますが、エンジンをかけてから10分ほど見ておく必要があります。
お湯をかけて解かすのはやめましょう。JAFは、温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐにまた凍り付いたりするおそれがある、と注意しています。
寒い地域で駐車するときは、ワイパーを立てておくのもJAFのおすすめです。ワイパーのゴムがガラスに凍り付くのを防げます。
走行中に曇ったら
走っている途中で前が見えにくくなったら、無理に走り続けないでください。JAFの交通安全の講座は、曇りがすぐに取れないときは安全な場所に止めて、視界を取り戻してから走り出すよう案内しています。止まってから、この記事の設定(デフロスター・外気導入・A/Cオン)で曇りを取ります。
曇りにくくする準備
JAFは、ガラスの内側をきれいにしておくと曇りにくくなる、としています。薄めた中性洗剤をつけたタオルでガラス全体を拭き、そのあと乾いたタオルで拭くくらいで十分です。市販の曇り止めスプレーを使うのも1つの方法です。
冬は、タイヤの準備も同じ時期に重なります。冬タイヤの溝の見方は、タイヤ交換の時期の見分け方と費用で、夏タイヤとは違う限界(残り溝50%のプラットホーム)として扱っています。
まとめ
- 冬の曇りは、車内の水分が冷えたガラスで結露したもの。乾いた空気を当てて取る
- いちばん早いのは、デフロスター・外気導入・A/Cオン、それに風量を強く・温度を高く
- 冬のA/Cは冷房ではなく除湿のため。デフロスターを押すと自動でA/Cが入る車もある
- 内気循環のままだと曇りが取れにくく、二酸化炭素も外の空気の約5.5倍まで増えた(JAF・市街地)
- 雨の日だけは逆で、内気循環とエアコン(JAF)
- 凍ったガラスは、解氷剤なら約1分・デフロスターなら約10分(JAF)。お湯はかけない
冬の朝の準備は、毎年同じ時期に同じことを繰り返します。冬タイヤに替えた日や、解氷剤・ワイパーを替えた日を記録しておくと、次の冬の支度が楽になります。
